エンタメなるままに

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「エンドロールのつづき」を紹介

今回は、「エンドロールのつづき」をご紹介します。インド映画を初めて見ました。ただ様々な評論を聴く限り、本作はいわゆるインド映画とは一味違う作品のようでした。

オススメする人

  • 映画が好きな人
  • 成長物語が好きな人
  • 子どもが好きな人

所要時間

5時間

概要

 親に連れられて観に行った映画に魅了されしまったサマイ。彼は映像を映すという意味での映画を作ろうと友達たちと試行錯誤する。その過程で、周りの映画に対する態度や現代で映画が置かれている状況を目撃することになる。サマイが、自分の好きなものに真摯に向き合う成長物語。

感想

 映画が好きな人はぜひ観て欲しい作品です。本作は、映画館で観てこそ価値が出る作品だと思いました。映像を投影するという意味でも映画のよさを、十二分に堪能できました。本作は、サブスクで観るのは粋ではないなと個人的に思ってしまいました。

 映画そのものの良さという意味では、映写機やフィルムがリサイクルされるシーンは印象的でした。本来リサイクルは良いことなのですが、それが映画を壊しているという悪として本作の中で表現されているのは面白いなと思いました。しかし、リサイクルや映画を壊すこと自体を否定しているわけではなく、あくまでサマイの成長の1つとしてリサイクルシーンが使われているのが、文明の進化との向き合い方を示しているようでとても好きでした。

 また、登場人物に悪人が出てこないもの本作の魅力の1つだと思いました。サマイは、例え子どもだとしても許されないことをしてしまうのですが、純粋な好奇心からきた行動であったことに関してはとても共感できます。しかし、その悪事をしっかりと叱る警察や父親の気持ちも痛いほどよくわかりました。登場人物それぞれの思いや考えがあり、それゆえの行動のため誰も憎めない作品でした。良いこと悪いこと全てがサマイの成長の糧になっているように感じました。

 最後に作品内の光の演出が好きでした。純粋に光の映像がとても綺麗でした。カラフルなガラスが何重にも重なった箇所の光や、サマイが緑の瓶を持って世界を見ているシーンの光などとても魅力的に光が映されているシーンが印象的でした。サマイが魅了された光の世界を、作品の大切な部分として表現されている演出が個人的にとても好きでした。

 とにかく映画愛に溢れた作品になっています。映画を愛する人すべてに、ぜひ映画館で見ていただきたいです。オススメです!!!!!!!