エンタメなるままに

最近楽しんだエンタメをつらつらと書いています

「かがみの孤城」を紹介

今回は、「かがみの孤城」をご紹介します。辻村深月さん原作の小説を映画化した作品になります。

オススメする人

  • 不登校の問題に関心がある人
  • アニメーションが好きな人

所要時間

2h

概要

こころはある事情から学校に通っていなく、フリースクールに通うことになった。ある日、昼間に自宅にいるとかがみから突然、狼の被り物を被った女の子が現れた。女の子はこころをかがみの中のお城に連れて行った。お城には既にこころの他に6人の子どもが集めれられていて、狼の女の子は7人に対してお城に隠された秘密の部屋にたどり着くことができればなんでも好きな願いを叶えると言った。なぜ7人の子どもが集められたのか。お城はなんなのか。狼の女の子の正体は誰なのか。ファンタジー作品です。

感想

 個人的には疑問点が多く残る作品でした。今回はその疑問点のうち、話の内容とメッセージ性の2点から感想をご紹介したいと思います。前提として、辻村深月さんの原作はまだ読んでいない上での感想になります。

 1点目は内容です。結論、登場人物7人それぞれの描き方が少し物足りないように感じました。なぜ孤城に集められたのかの理由は、物語が進むに連れてミステリーの種明かし的に分かっていくのですが、ネタバレなしに言うと登場人物それぞれのバックグラウンドが関係しています。それにもかかわらず、各登場人物の抱える問題やバックグラウンドの描き方があまりにも端的になりすぎている気がしました。そのため、登場人物それぞれに感情移入することができず、物語の最後に少し置いてきぼり感を感じました。また、狼の女の子の正体も登場人物に大きく関わってくるのですが、こちらも同様に登場人物のバックグラウンド情報が少ないために、結末がとって付けたような印象を抱きました。原作はページ数もそれなりに多そうなので、この辺りの登場人物のバックグラウンドやその時の心情が詳細に書かれているのではないかと思います。

 2点目はメッセージ性です。本作は、端的に言うと不登校に対するメッセージ性が込められている作品になっています。問題自体はとても深刻で解決しなければいけない問題かと思うのですが、本作を通じて誰にそのメッセージを届けたいのかがいまいち掴めませんでした。仮に現在進行形で学校にいけない子に対するメッセージだとしたら、映画という手法を通じて伝えるメッセージとしては一方的すぎると思いました。映画にメッセージを残したから後は自由に感じ取ってくださいと言われている気持ちになってしまいました。そもそも本当に問題に苦しんでいる子たちは、映画館に来て作品を見るという行動ですらハードルが高いものではないのかなと思いました。

以上です。アニメーションとしてはすごく見応えのある作品になっているので、興味のある方はぜひご覧ください。