「ままならない私とあなた」を紹介
今回は、「ままならない私とあなた」をご紹介します。私が大好きな作家さんである朝井リョウさんの作品です。先日の「朝井リョウと加藤千恵のオールナイトニッポン0」も面白かったですね。
オススメする人
- 短編小説が好きな人
- 現代の人間関係に違和感がある人
所要時間
2日
概要
本作には、「レンタル世界」と「ままならない私とあなた」の2つの短編小説が収録されています。どちらも人間関係を描いた作品となっています。「レンタル世界」は、レンタル彼氏、レンタル友人など巷にあふれるレンタル〇〇を通じた人間関係がテーマとなっています。「ままならない私とあなた」は、ある2人の女性の小学生から大人になるまでの関係性を描いた作品になっています。
感想
他人を理解しようとすることは無理なことだと思いました。他人を理解するとは、自分が理解できる範囲にその人を押し込めることであると本作を読んで感じました。その人が言っていること・考えていることが理解できないから、自分の考えを押し付けて無理やり自分が理解できるようにしようとする。「ままならない私とあなた」の登場人物の2人の女性はそんな関係になってしまったのではないかと思いました。
「レンタル世界」「ままならない私とあなた」ともに、他人を理解しようとしない、または盲目的に理解していると信じていたことの人間関係はとても楽しくスムーズに進んでいるように見えました。しかし、他人と自分のズレを認識し、それを理解しようとした時に、自分の考えを他人に押しつけ、人間関係が壊れていくように感じました。
大切なことは、他人を理解するのではなく、理解できないものを否定しないことなのではないかと思います。自分とは違う・自分には理解できない、でもそんな人もいるかもしれない。そんなドライな考えがいい人間関係を築くコツなのかもしれません。