エンタメなるままに

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「変な絵」を紹介

今回は、「変な絵」をご紹介します。大好評であった「変な家」の第2段です。「変な家」のご紹介はこちらから!

オススメする人

  • ミステリーが好きな人
  • スラスラと本が読みたい人

所要時間

2h

概要

絵には描き手の心情が現れるといいます。しかし、それ以外にもその絵が描かれた背景や描き手の意図的なメッセージが込められているかもしれません。本書は、複数の絵を通じてある人間を描いています。絵に込められた想いや秘密を暴いていくことで、その人物の人生や感情を知っていくことになります。最高のミステリー体験をお楽しみください。

感想

本書は基本的に絵を分析することで物語が進んでいきます。絵の分析と聞くと心理分析を思い浮かべますが、本書の面白いところは絵を描いた様子やなぜこの絵が描かれたのかという絵の存在自体を分析するところです。一見すると変な絵で終わってしまうけれど、変な絵になった背景には様々な要因や想いが込められている点が読んでいて、物語に引き込まれる要因の1つでした。また、一見別々の物語かと思われる複数の物語が複数の絵の謎を解いていくに従って繋がり、最終的にはある1人の人物の悲しくなんとも言えない人生にたどり着く構成も読み応えがありました。オススメの1冊です。

 

ここからは、本当に個人的な感想です。個人的には、前作の「変な家」の方が好きでした。変な家は、一見少しおかしな家の間取りを始まりとして、その間取りから読み取れる妄想が様々な事実と共に現実へとなっていく過程がとても美しかったです。まさに登場人物と一緒に謎解きをしているような気持ちになれました。それと比較すると本書は、既にわかっている事実を小出しに明らかにされているように感じました。物語の時系列がバラバラであったことも要因の1つかもしれませんが、描かれた絵の謎を解き明かしていく行為が絵を通じて人と向き合っているようで、絵を分析しているというよりも人を分析している気分でした。

ただ、どちらも確実にオススメする作品ではあるので、ぜひ両方読んで自分の好みを探してみてください!!

Amazon

https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%89%E3%81%AA%E7%B5%B5-%E9%9B%A8%E7%A9%B4/dp/4575245674/ref=tmm_pap_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=1671543042&sr=8-2