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「SHE SAID その名を暴け」を紹介

今回は、「SHE SAID その名を暴け」をご紹介します。#Me too運動のきっかけとなった事件を描いたノンフィクション映画です。映画としてのメッセージ性はもちろん、それを伝えるために細部までこだわって作られた素晴らしい作品です。

オススメする人

  • ノンフィクションが好きな人
  • ジャーナリズムが好きな人
  • #Me too運動に関心がある人

所要時間

2時間

概要

 ハリウッドのセクシャルハラスメント問題を明るみにしたニューヨーク・タイムズ社の2人の女性記者の物語です。事件に関しては、実名が使われていて、一部の出演者は本人役で事件の当事者が出演しています。非常にタイムリーで、メッセージ性の強い作品になっています。

感想

 最高の映画でした。映像に残す価値のある映画という感じがしました。本当に全ての人に観て欲しいし、後世に残すべき映画であると思います。今回は、演者と物語の2つの観点から感想をご紹介したいと思います。

 まず、俳優の方々の演技がとてつもなかったです。まず2人の記者の演技です。真実を明らかにしたいという熱量とそれに反するように物事が進展しない苛立ちが画面上からひしひしと伝わってきて、映画にのめり込むことができます。また、被害者の方も事実を明らかにしたいという思いと、諸々のシステムや恐怖によって明らかにできない思いの間で揺れ動く演技も見応え十分でした。出演者一人ひとりが複数の気持ちを抱えていて、この人はこんなキャラクターというある意味映画的な登場人物が1人も出てこないのも印象的でした。出演者の演技のリアルさと実話を扱っているという点で、映画というよりもドキュメンタリーを観ているような気分になります。

 次に物語です。本作で注目すべき点は、記者2人の家庭的な一面が描かれていることです。記者の家庭的な側面を描くことで、作品内に出てくる人間がより人間らしく映っていました。記者自身の家庭的な側面を描くことで、事件に対して淡々とした事実を述べるだけではなく、そこには人間がいて感情があることを強調しているように感じました。1人の記者が産後うつのような状態になり、仕事によって救われるという場面もありました。ここも、記者が仕事として事件に向き合っていて、仕事以外の一面もあるということを視聴者に想像されていました。記者の仕事以外の一面を描くことで、仕事に対する熱量や思いが一層際立っていました。この物語の構成は、実際の事実を人間味を含めた形で伝えるという意味で素晴らしい構成だと思いました。

 オススメです。実際の話とあって、少し生々しい表現もありますが、絶対に観るべき作品の1つだと思います。ぜひ観てください!!!!!!!!!