「残像に口紅を」を紹介
今回は、「残像に口紅を」をご紹介します。少し前の世代の小説になります。Tiktokで話題になっていたらしいので読んでみました。
オススメする人
- ファンタジーが好きな人
- 小説が好きな人
所要時間
5時間
概要
世界から1文字ずつ文字が消えていく。そんな世界を描いた実験的小説です。物語の内容も文字がなくなった世界でどう生きるかなのですが、作品自体も次第に使える文字がなくなっていく構造になっています。
感想
ただ小説の物語を読むだけでなく、小説の中で文字が消えていくという実験の一部に自分が組み込まれているような感じがしました。もしかしたら小説の中で筆者の存在を一番想像できる小説かもしれません。何かすごいことをしているかもしれないというワクワク感を感じることができるので、そのワクワク感が好きな人は楽しめるかもしれません。
しかし、個人的には「非」の印象でした。文字をなくすということを意識しすぎて、物語の後半が使える言葉を並べただけのように感じました。物語の進め方も物語そのものを展開させてるというよりも、使える言葉の中でできる物語を作成したという印象でした。最後の方は、言葉が消えたことも説明できないほど文字が消えていたので、言葉が消えたことよる影響や主人公がどう感じてどんな行動に出たのかが全くわかりませんでした。
小説内でやろうとしていることは面白いなと思うのですが、それによって小説自体がつまらなくなったり読みにくくなったりしてしまっては本末転倒ではないのかなと個人的に思ってしまいました。
ファンタジーやワクワク感が好きな人はぜひ読んでみてください!!