エンタメなるままに

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「そして僕は途方に暮れる」を紹介

今回は、「そして僕は途方に暮れる」をご紹介します。藤ヶ谷さん主演の舞台が映画化されたのが本作です。主演は、舞台同様藤ヶ谷さんです。言い方が少し悪いですが、全くジャニーズ感のない藤ヶ谷さんが見どころの1つです。

オススメする人

  • 何となくやる気がない人
  • 真面目に生きている人

所要時間

2時間

概要

 フリーターで怠惰な生活を送る菅原裕一。彼は彼女・友達・先輩・家族、自分の身のわりの様々な人の家に居候をして、日々を暮らしていた。しかし、どの家も1週間ほどで家主から説教をくらい、それをキッカケに菅原は家から逃げてしまう。最後に行く宛のなくなった菅原は、ある人物と出会い自分の生活を見つめ直すようになる。そして、正しく生きようと前を向いた菅原にある出来事が起こる。

感想

 物語の内容としては、主人公の菅原に終始イライラする作品でした。もちろんそれが作品のみどころでもあるので、イライラしている自分を楽しむという楽しみ方は1つあるかもしれません。ただ、そんな自堕落な主人公なので、最後の出来事とそれに対する菅原の向き合い方にはイマイチ感情移入できませんでした。そもそも、そのきっかけを作ったのは菅原自身だしなと思ってしまい、自業自得感が否めませんでした。

 作品内の表現は興味深い点がいくつかありました。その中でも、菅原の心の状態を、菅原含めた人間の感情の出力と天気の表現で表しているように感じました。物語の前半、つまり菅原が自堕落な生活を送っていて嫌なことがあるとすぐに逃げる状態の時は、菅原自身ははもちろん彼女や周りの友達も、急に100%の感情で戸惑ったり、怒ったりする箇所が多々観られました。また、雨や雪などの天気の表現も、土砂降りや吹雪など極端な天気の表現が見られました。これは菅原の一種の衝動的に物事から逃げる一面を、作品全体の表現を0か100で表すことで表現しているのではないかなと思いました。その後、菅原が自分の生活を見つめ直すシーンがあるのですが、その後からは人間の感情が徐々に表に現れてくる表現が散見されるようになった気がします。特に印象的であったのが、前田敦子さん演じる恋人がある話をするシーンです。このシーンでは、人間の感情が0から100までグラデーションのように表に出てくるように感じました。

 全体的に作品としていい意味でイライラする場面が多い作品ですが、今無気力な人や逆に一生懸命生きていると感じている人には新しい発見があるかもしれません。興味があればぜひご覧ください!!!!!!!!!