「ギフテッド」を紹介
今回は、「ギフテッド」をご紹介します。芥川賞候補作の鈴木涼美さんの作品になります。恥ずかしながら鈴木涼美さんを木曜日は本曜日で知り、読んだ1作になります。
オススメする人
- 親子について知りたい人
- 読書が好きな人
所要時間
1日
概要
先の長くない母は病室から娘の部屋に移り住む。受け入れるでもなく、拒否する訳でもなく娘は母との最期の時間を過ごすことになる。娘には母に火傷をつけられた過去があった。そんな娘と母の最期の時間を記した作品になっています。親子という関係、母と娘という関係を考えさせられる作品になっています。
感想
腐れ縁というには綺麗すぎる縁が親子にはあると思った作品でした。先の長くない母は娘の部屋に引っ越すという選択肢をしました。特別仲が良い親子ではなく、もっといえば母は過去に娘にタバコの火で火傷をさせました。そんな関係性であるにもかかわらず、母は人生の最期に娘の部屋を訪れ、娘もそれをそのままにしています。そこには、親子という悪縁というべき繋がりがあるように感じました。2人ともその縁を何かは分からずも受けれていて、そのために近くにいることを選択しているように感じました。そのためなのか、母が病院に戻った後も娘は毎日病院に行っていました。
私はまだ人の子だけしか経験しておらず人の親という気持ちがわからないのですが、子は親を選べないと言われると同じくらい親も子を選べないのではないかと思いました。どちらも選べない関係性だからこその縁みたいなものが存在するのではないでしょうか。
そして、私にその正体が分かる日が来るのでしょうか!?